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カテゴリ - 政治/経済/世界

 イスラム教・スンニ派とシーア派の違い 中東研究家がわかりやすく説明


0 2014/07/30 15:48 6件 4752pv 



チュニジア、エジプト、リビアと革命が続く中東。今でも毎日のように、テロや紛争のニュースが絶えません。なぜ中東では革命や政変がこんなに起こるのでしょうか。中東のニュースで必ず耳にするイスラム教のシーア派とスンニ派。この2つ宗派の本来の姿とその違いとは?*中東研究家の尚子先生がわかりやすく説明します。

昨今のイラクやシリア情勢に関するニュースで、「シーア派」と「スンニ派(スンナ派)」の争いという説明をよく耳にします。イスラム教の中に2つの宗派があることは、なんとなくわかっていても、何が違うのかわからないというのが本当のところでしょう。

もちろん、イラクとシリアでは事情が異なっていますが、今回は、両派では基本的に何が異なっているのか、そしてどうして両派が争っているのかについて説明したいと思います。


だれがイスラム共同体を率いていくのか

そもそも両派分裂の起源は、だれがイスラム共同体を率いていくのかという問題に端を発しています。イスラム教は610年にムハンマドによってはじめられた宗教です。ムハンマドは約22年間布教を行なった後に没しますが、その後、指導者をめぐる争いが発生します。イスラム共同体では宗教指導者と政治的指導者が分離していません。政教一致の体制をとり、その指導者はカリフと呼ばれます。

ムハンマド没後、4代目のカリフまでは(正統カリフ時代:632〜661年)、争いごとはありながらも分裂することはありませんでした。ところが4代目のアリーを境に、カリフはムハンマドの子孫であるべきだと主張する派(シーア派)と、子孫の中からではなく、話し合いによって皆から選ばれたものがカリフとなるべきと主張する派(スンニ派)に分裂してしまいます。そもそも「シーア」とは「派閥」や「党派」を意味しており、「アリーの党派」が短くなり、「党派」という意味の「シーア」だけが残ったといわれています。

その後、スンニ派はムアーウィヤをカリフに選出して、現在のシリアにウマイヤ朝を建設します。一方、シーア派はアリーの子孫であるハサンとフセインを支持しますが、ウマイヤ朝と敵対することとなります。3代目の指導者(イマームと呼ばれる)であったフセインはウマイヤ軍に滅ぼされて、戦死してしまいます。こうした悲劇から、シーア派の人々はアリーの子孫であるイマームによって導かれる共同体こそが、神の支配を復活させると考えています。

ところが、ムハンマドの死から約300年後には、アリーの子孫は12代目で途絶えてしまいます。そのため、シーア派の人々にとって、現在は「イマーム不在」の悪の状態であると考えられるのです。けれども、終末直前に最後のイマームがマフディー(救世主)となって再臨して、この世の悪から救済されると信じられています。

アリーの子孫が途絶えるまでの間に、シーア派のなかでは、だれをイマームとして認めるかによって3派に分派していきます。まず5代目のイマームをめぐり、ザイドを支持する者たちと、そうでない人々に分かれます。ザイドの支持者たちはザイド派と呼ばれ、現在ではイエメンで多く見られます。その後、7代目のイマームをムーサ・カーズィムとする者たちと、兄のイスマイールを支持する者たちに分かれます。ムーサの支持者たちが、現在、シーア派の中で最も多く、約85%程度を占めています。彼らは十二イマーム派と呼ばれ、イランやイラク、バハレーンなどに居住しています。一方、イスマイール支持者はイスマイール派と呼ばれ、東アフリカや南アジアに多くみられます。


スンニ派政権にとって「脅威」となった貧困するシーア派

では、シーア派とスンニ派では、信仰上の儀礼において違いはないのでしょうか?

スンニ派もシーア派も断食、巡礼、礼拝などの方法に違いはほとんどありません。イスラム教の異端とされるアラウィー派やドルーズ派のように、巡礼や断食は行なわないといった明らかな違いは見受けられません。あるとすれば、シーア派では殉死したフセインを追悼するために、アーシューラ―と呼ばれる宗教行事があったり、シーア派の聖人の墓(聖者廟)を詣でるといった習慣が見られます。

また、偶像崇拝を厳しく禁止するスンニ派に対し、4代目カリフのアリー(シーア派にとっては初代イマーム)など、イマームの肖像画などを掲げることもあります。

ですが、イスラム教徒ではない私たちからみれば、宗教指導者でもない限り、基本的に外見や行動からシーア派とスンニ派を区別することは難しいでしょう。日常生活において、シーア派であるか、スンニ派であるかを問われるような場面もほとんどありません。日本に来た私のイスラム教徒の友人は「なぜ日本人は、私がスンニ派かシーア派か尋ねるのですか?*アラブ人同士で、そんな質問をされたことは今までありませんが、なぜ気にするのですか?」と尋ねられたほどです。

では、なぜ、現在、シリアやイラクなどでは、シーア派とスンニ派が対決しているのでしょうか?*宗教的正当性を巡って、争っているのでしょうか?*もちろん、そうではありません。

シーア派が問題視されるようになったのは、イラン革命以後といってもよいでしょう。イランの対岸にある湾岸諸国は、国内に多数のシーア派の住民が存在しているために、イランが革命の「輸出」をして現政権の転覆を図るのではないかと危惧しているのです。

現在、イラン、イラク、バハレーン、アゼルバイジャンでは、スンニ派の住民よりもシーア派人口のほうが多くなっているといわれています。ですが、それ以外にもシリア、レバノン、湾岸諸国、イエメン、アフガニスタンなどにもシーア派の人々は多数、存在しています。

この中でイランにおいてのみ、シーア派が政権をとり、国家を運営していますが、それ以外の地域で政権を握っているのは、ずっとスンニ派でした(イラクは現在の政権のみシーア派で、それ以前はすべてスンニ派)。

政権を握っているスンニ派に対して、シーア派はたとえ数の上で優っていたとしても、政治的には少数派となっています。そのため、国民国家建設の過程で富の分配にうまくあずかれず、貧困層となってしまっている場合が多いのです。この現象は、レバノンやイラク、バハレーン、湾岸諸国でも同様の現象がみられます。

つまり、シーア派がスンニ派と対立するのは、シーア派だからという宗教的理由からではなく、経済的・政治的に劣位に立たされている現状を打破するために、団結して反政府活動を行なっているといえるでしょう。だからこそ、スンニ派の政権にとって、シーア派は「脅威」となっているのです。

その結果、政権側のバランスのとり方次第では、現在のイラクのように、シーア派とスンニ派が戦うという、いわゆる「宗派対立」の図式に発展する結果を招いてしまうのです。

ソース
http://diamond.jp/articles/-/55770



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1名無しさん 2014/07/30 23:52

うーん・・分かったような分からないような。
自民党と民主党みたいな対立では無くて、自民党の中の、
閣僚へ入れた人VS入れなかった人みたいな感じなのかな・・

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2名無しさん 2014/07/31 11:42

ムハンマドさんは罪なお人やでぇ

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3名無しさん 2014/07/31 13:07

同じ宗教、同じ民族
韓国と北朝鮮みたいなもんやな

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4名無しさん 2014/07/31 13:21

イラク単体として見ればスンニ派が多数派で政権を保持してるけど、
中東全体として見ればシーア派が多数派となり、イラクでのスンニ派は常に危うい状況におかれているということ?
その状況だとたしかにイラク国内のシーア派が近隣諸国から武器や兵士の供給を受けたら、スンニ派詰んじゃうよね
複雑で解釈合ってるのか分からないけど

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5名無しさん 2014/07/31 23:44

地元民じゃないと分からない感覚的なものかも知れんね。
スンニ派だった人がシーア派になったり、逆もあるんだろう

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6名無しさん 2014/08/11 07:28

これも誰かさんが残していった分割統治が悪いんじゃない?

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