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 【ギリシャ】『ここは本当にヨーロッパなのか?』――パキスタン移民労働者がギリシャ社会の現状を語る
0Lloranda★ 2017/04/27 04:59 26件 5866pv
1.
パキスタンからの移民労働者ファイサル・ラッザ(Faisal Razza)さんとその友人たちの職場は、ギリシャ・ペロポネソス半島アルゴス市にあるオレンジ農園である。
1日10時間労働を1週間毎日休みなくこなしているが、オレンジの収穫が終われば農閑期に入り、次のイチゴ摘みのため移住するまでは、ほんの少しではあるが労働から解放される。
今回はそんな滅多にない休日を『アル・ジャジーラ』(Al Jazeera)社の取材に応じるため空けたそうである。
現在のラッザさんと友人たちの住居はアルゴス市郊外のポウラキダ(Poullakida)にある。
墓地のすぐ裏手、掘っ立て小屋のような家だ。
2.
3.
小さい部屋と不衛生なトイレ、そしてゴムホースが天井からかけられただけの簡素なシャワールーム。
かつて白かった壁も今や黒く煤けている。
電灯はなく、扉から漏れてくる光が灯り代わりだ。
ここにパキスタン移民労働者が何十人とすし詰めになって住んでいるという。
これで月額30ユーロ(約3,600円)に加え、雇用主に対し月額50ユーロ(約5,950円)の礼金を支払わなければならない。
他に食事代や煙草代まで取られるそうだ。
「パキスタンの家畜の方がわたしたちより良い生活をしています」
小屋の一角はキッチンと呼ぶのもおこがましく、勿論ガスコンロなどという文明の利器は存在しない。
外に置いてあるドラム缶に火を作り、それをタンドール(壺状の鍋)の代わりとして故郷の料理チャパティ(薄く平らなパン)を焼くのが唯一の手段だ。
パキスタン・パンジャーブ州グジュラート県出身のアミール・アリ(Amir Ali)さん(25)は、「パキスタンにすらガスはある。これはまるで19世紀のような料理方法だ」と嗤(わら)った。
4.
ラッザさんの同僚であるアドナン・アフメド(Adnan Ahmed)さん(20)は母国で優秀な看護師として活躍していたが、より良い生活を夢見てこのヨーロッパにやって来た。
しかしアテネに着くや否や、騙されたと思った。
事前に滞在先は完備されていると言われていたにもかかわらず、寝食も用意されていなかったからだ。
給料も、『貯金も仕送りもできるほど貰える』と言われたのに、オレンジを100クレート(60×30×30cmの箱100杯分)ほど摘んでやっと22ユーロ(約2,600円)だ。
パキスタン・チェナブ・ナガール県出身の元薬剤師であるナヴェード・アフメド(Naveed Ahmed)さん(27)は、給料不払いに不安を感じすぐに退職を申し出たが、脅されて拘束されたという。
「サウジアラビアで仕事していたときは月1,500ユーロ(約18万円)もらっていました」と言ったのはムジャヒッド(Mujahid)さんだ。
「今は日給20ユーロ(約2,400円)、それすら支払われないこともあります」
住所やお金、法的身分のない移民が就ける仕事は農業くらいしかない。
ギリシャでは農業における労働者の90%を移民労働者に依存しているという。
農業省総書記のカラランボス・カシミス教授によれば、1990年代からギリシャにおける農業は人手不足に陥り、働き手は移民に依存するようになっていったとのことである。
南アジアや東ヨーロッパからも移民は多いが、特にパキスタンやバングラデシュからの移民は基本的に不法滞在であり、人権も何もないのが現状だとカシミス教授は嘆く。
ラッザさんが言うには、母国から友人を呼ぶと雇用主からボーナスが貰えるため、次々と親族友人を呼び寄せるのだそうである。
結果、ヨーロッパを夢見て移住する移民労働者の悲劇は止むことがないのだろう。
5.
ソース
http://www.aljazeera.com/indepth/features/2017/03/pakistani-migrant-workers-face-exploitation-greece-170325065743630.html
(翻訳:ライターLloranda)
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